今年もIBITA AGM(国際ボバース成人片麻痺講師会議定期会議)にでかけてきたので報告したい。今回はスペインのバルセロナが会場で曽根・伊藤・長久・日浦・赤松の5人のインストラクターと佐藤キャンディデートの合計6名で参加した。
佐藤キャンディデートは今回のAGMでインストラクターに承認された。
9/11 午後から休みを取って2時の甲府−成田高速バスに乗り込んだ。渋滞もなく5時過ぎには成田に到着。ついてすぐに日本円をユーロに換えた。
今回は成田レストハウスという第1ターミナルから徒歩で行けるホテルを取った。東京前泊組は伊藤・長久・佐藤の三人だったが佐藤さんは遅く到着するとのことだったので、長久さんと待ち合わせて食事に出かけた。ホテルにチェックインしていた私に長久さんから電話があり合流。荷物を置いて第1ターミナル内のレストランで和食を食べた。入ったレストランはなんと3年前に新保先生とイタリアに行ったときに飲み過ぎてアリタリア航空に放送で呼び出されたときのレストランだった。懐かしいな。
9/12 曽根先生、佐藤さんと朝合流して早速チェックイン。携帯を海外用に借り換えてから二階のレストランへ。日本最後の食事になるが何故かカツカレーが食べたくなって注文した。出国手続きも厳しくなかったし、飛行機の中は隣があいていたので快適だったが毎回ながらやはり12時間は苦痛だった。オランダでトランジットしてEU圏内に入国手続き。そこまではスムーズだったがバルセロナ上空で悪天候に見舞われ2時間遅れ。荷物を取ってターミナルに出たときには12時を回っていた。別便でバルセロナに入った日浦・赤松組は早くついていたらしく2時間も待ってくれていたようだ。
悪天候もあってタクシー乗り場には長蛇の列。このままでは何時にホテルに着けるかわからないのでホテルに電話を入れておいた。スペイン語だったらどうしようと思っていたが英語が通じる人が出て安心した。(今回のスペイン出張では英語が通じると安心した。議論に加わるのはまだ大変だがお店やホテルでは通じる程度の英語力になったのかな?)
やっとのことでタクシーに乗り込みサンクーガへ(サンクーガはバルセロナ市街から電車で25分程度離れた郊外で田舎町)。スペインはタクシー料金が安く、かなりの距離があって、高速道路も使ったが40ユーロで到着。その日は遅かったので床に入った。
※写真(右)は1週間滞在したAGMの会場ともなった宿泊先のホテル
9/13 午前中はフリーだったのでバルセロナ市街に観光に出かけた。電車で行ったのだが駅についてスペイン語で切符を買うのに苦労した。係の人がいてしきりに「テンテケ」「テンテケ」とボタンを押してみせるのだが値段も高いしどうしようと皆が迷った。
佐藤さんがキップのことをスペイン語でテンテケと言のでは?と言い張るし・・。
結局、言われたとおりそれを購入してなんとか電車に乗れた。後でわかったがその係の人は片言の英語で「テンチケット(すなわち回数券)」と言っていたようだ。
※スペイン滞在中、この佐藤さんの早とちりというか、錯認症状(?)に、結構まどわされたがおかげで話の種には事欠かなかったし、楽しい道中となった。
※写真(左)は宿泊先の近くのリアルモネストリー城。駅に行く途中に観光。
カタルーニャ広場の駅から地上に出ると土砂降りの雨、この季節スペインは雨が多いらしい。
ランプラス通りを通ってガウディのグエル邸に行ってみたが工事で閉鎖中だった。ちゃんとガイドブックに閉鎖中と載っていたのに佐藤さんが見落としたらしい。(苦笑)
しかも工事中で外側を覆われていたので見つけることができずにさまようことになった。
その後、近くのレイアール広場といってガウディの街灯がある広場で休んで王の広場と大聖堂を回った。
駅に戻る途中バール&レストランで昼食を取ることにした。スペインでは食事は1時からでその前は前菜のようなものしか出してくれないようで、仕方がないのでトルティーヤ(タマネギとポテト入りオムレツ)と肉団子、魚のすり身フライ、チピロン(イカ)を注文して食べた。
※写真(左)はレイアール広場で早速買ったバルサ(FCバルセロナ)のマフラーをしている私
※写真(右)はレイアール広場のガウディ作の街灯
※写真右は午前中に回った大聖堂。外装工事中だった。
その日の午後はAGMへの参加登録手続きを済ませた後、教育講座だった。エビデンスに関する講義・ICFの講義、そしてマニュアルセラピーと乗馬セラピーの紹介があった。
中でもベンテ議長のエビデンス調査の紹介はボバースコンセプトの根拠を示すRCT論文などの紹介で日本でも紹介するべき論文であった。マニュアルセラピーは日本のAKAに近い
関節包内運動を主に股関節に対して行うところを紹介していた。
教育講座修了後は会場近くのリアルモネストリー城でウェルカムパーティーが開催された。まずは歓迎のスパニッシュギターショー(写真左)が行われ、その後会食となった。(写真右)
料理はイベリコ豚。パンにニンニクを塗ってトマトをこすりつけ、オリーブオイルをかけた後、そのハムをはさんで食べるのがこの地方の名物らしい。他にはトルティーヤやすり身フライ等が
振る舞われた。
その後、ホストのスペイングループにより抽選会が催され、私はオリーブオイルが当選した。上等そうなオリーブオイルであったが、結局、機内持ち込みが大変そうだったので入れ物だけ頂いて
持ち帰ることにした。
9/14 その日は一日会議が行われた(写真左)。まずは新インストラクターとして各国の候補者が承認された。佐藤さんも承認されベンテIBITA議長から証明を受け取った(写真右)
。
その後、検討議題について話し合われたが日本に関係する議題としては「委任状により議決権が参加者にゆだねられているのが現状だが、話し合いの場にいない人の票がカウントされるのはおかしいので参加者のみの投票とする」という提案がなされたが否決。
もう一つ「外国で講習会を開く際はその国の代表者に知らせて了解を取らなければならない」という提案が出され、一部提案を改変して採決された。その他の議題はあまり日本に影響しない内容だった。
昼食は会場近くのレストランで取った。その日の夕方は各自で夕食だったのでそのときにスペインメンバーにパエジャ(パエリア)がおいしい良いレストランが無いか訪ねてみると、ベッティーナ(スペインのシニア・インストラクター)が手配してくれて、旦那さんに予約を取ってもらえたらしい。
ベッティナーの旦那さんはここサンクーガの出身とのことだ。
昼食後、会議が続行され、その後いくつか各国のエビデンスへの取り組みなどが紹介されビジネスミーティングは閉会。時計はすでに20時半を回っていた。ベッティナーに紹介してもらったレストランの予約が21時だったのでいそいで荷物を部屋に置いて出かけた。ちなみにスペインの夕食は少し遅めがあたりまえで、21時からというのは平均的らしい。そして、食事を済ませてバール(バー)に出かけて12時過ぎまでお酒を飲むというのが通例のようだ。
レストランにつくと、陽気で対応の良い男の店員さんが料理やワインの相談に乗ってくれた。英語は得意ではないといっていたがなんとか通じたし冗談も通じて楽しむことができた。
料理はさすがに地元の人の紹介だけあって最高に美味しかった。食前につまみとして食べたTAPAS(前菜)のチピロン(イカ/写真左)がベッティーナのお薦めだったが、これもやみつきになりそうなおいしさだった。このチピロンもなかなか名前が思い出せなかったのだが、またしても佐藤さんが「チョッチョリーナじゃなかったっけ?」などと適当なことを言っていたな・・笑。
そしてメインのパエジャ(写真右)だが圧巻の量と豪華さでみんな驚いた。味はちょっと濃かったが私にはちょうど良かった。さすがの量で食べきれないメンバーもいたが私は完食した。
9/15 その日は朝からワークショップの予定で近くの大学のキャンパスへバスで移動した。
ワークショップの構成は全体的テーマが「基礎講習会で脳卒中以外の疾患についてどう教えるか?また、脳卒中についてICFやシステムアプローチ、そして2次障害、定量的評価についてどう教えるべきか?」といった内容で、私と日浦・赤松・長久・佐藤の5人は脳卒中グループに入り、他国のメンバーと議論した。
印象としてヨーロッパのコースではICFやシステムアプローチが時間を割いて話されているように感じた。
※ワークショップの合間の昼食風景。大学のキャンパス中庭で。(写真左)
4時前にはワークショップは終了し、全員一旦ホテルに戻って着替えた後、バルセロナ市街の観光とディナーに出かけた。
バスは高速でバルセロナ港を見ながら市街に入り、まずはオリンピック公園のある丘から市街を一望した後、市内に入った。
ベッティーナの計らいでバスには日本語のガイドもついていて説明を受けることができた。市街地を回りながらサグラダファミリア(ガウディ)にも訪れた。
すでに日が落ちかけてはっきり見えにくかったが、さすがに迫力の大きさだった。
バスツアー終了後アリーナに移動しディナータイム。他国のメンバー達と懇親を深めた(写真右上)。私はイベリコ豚(写真左)をあらかじめ頼んでいたがなかなかの味とボリュームだった。
佐藤さんはここでも椅子ごとデッキから落ちてひっくり返り注目を集めていた。
今年は珍しく時間の関係かその後のディスコタイムは無かった。帰りにアリーナを通って帰ったがいろんなバーが大盛況だった。
やはりスペインの人は夜遊びが好きなようだ。お昼の2時からお店等が休憩時間に入る習慣もうなずける。
※レストランの前でベッティーナと記念写真(写真右)
9/16 スペインで過ごす最終日は一日フリーだったので、事前にミキ観光(みゅう)に頼んでおいたガウディーツアーに出かけた。集合がバルセロナ中心地に9時だったので皆で早起きし、電車で市街に向かった。ちょっと早く着いたので朝市を見学したが日本では見られない動物の脳みそやいろいろな食材が売られていた。(写真左右)
集合時間に集合場所に行ってみると石井さんという日本人ガイドが現れてツアー開始となった。
この石井さんというガイドは美術関係の仕事でスペインに来たらしく、建築にも詳しくてガウディの建築の裏話など詳しく聞くことができた。
※ガイドバスと石井さん(写真左右)
ツアーは音楽堂・カルベット邸・サグラダファミリア・サンパブロ病院・ビセンス邸・サンタテレサ女学院・グエル別邸・カサバトリオ・カサミラ・カサアマドエールを回った。
※サグラダファミリア(写真左)・サンパブロ病院(写真右)
サグラダファミリアの塔の部分は螺旋階段の手すりの部分ではじける力を下にまとめているんだよ。と石井さんに教わった。
観光客の入場料で工事が進んでいるらしいがあと25年から30年で完成とも言われているらしい。
※左:カルベット邸 右:サンタテレサ女学院
※左:グエル別邸の龍の門 右:ガウディの像のある龍の壁
途中、土曜日で道が空いていたので石井さんの計らいでカサミラに移動する前にバルセロナスタジアムに寄った。サブグランドで人だかりがしていたので「降りてみましょう」という事になり、近づいて人だかりの向こうを覗いてみると、なんとロナウジーニョらバルサの選手がフリーキックの練習をしていた。UEFAチャンピョンズリーグの中休みでホームに戻っていたのだ。まさか生でロナウジーニョを見られると思っていなかったので非常に嬉しかった。
※バルサスタジアム(写真右)とロナウジーニュ(写真右/小さいけど真ん中の人)
※左:ガウディの像の前で記念撮影 右:カサミラ
※左右:グエル公園
ガイドツアーが終わって昼食は飛び込みでバールに入ってみた。パエジャを注文してみたが観光客向けでお米も硬かったし値段が高くちょっとがっかりした。
午後はまず二階建てバスでサグラダファミリアに向かい、今度は中に入ってエレベーターで塔に上った。その後グエル公園に移動。ここはガイドツアーのコースに入っていなかったので
相談して訪れる事になった。バルセロナ市街も見渡せて景色もよかったが観光客の数が多くてくつろぐことはできなかった。
その後、分かれてデパートでおみやげを買うことにした。私はルイヴィトンでスペインにしか売っていないというサイフを家内用に購入した。
その日の夜はゴルベドスというお店にフラメンコを見に行く予定だったが満席で見ることができなかった。フラメンコは本来スペインでもカタルーニャ地方ではなくもっと南西の地域の文化で
あり、バルセロナではあまり盛んでないらしい。とはいえせっかくなのでガイドブックで調べて行く予定にしていたのだが、ガイドブックにもそう書いてあったし、石井さんも早い回なら予約無しで
大丈夫だと言っていたので予約を取っていなかったのだ。皆が買い物をしている間に私が一人で2〜3km歩いてゴルベドスにチケットを買いに行ったのに無駄足だった。
(帰り道にナイキのショップがあったのでバルサのユニホームを買った。)
「それでは、サンクーガまで戻っておいしかったベッティーナお勧めのレストランで夕食を・・」ということになり赤松さんが電話で予約した。
ホテルに帰ってみるとシニアインストラクター
の人たちがホテルを出て食事に向かっているようだったので「もしや・・」と思っていたらやっぱり同じお店でバッタリあった。シニアインストラクターは会議終了後この日も
会議があり、終了後最後の晩餐会を行ったようだ。
夕食後、私と長久さんの部屋でスーパーで買ったおつまみとお酒で反省会を行った。
※写真:部屋で二次会。さすがに疲れてうとうと・・。買ったバルサのユニホームを早速寝間着代わりに・・。
9/17 翌日、日浦・赤松組は朝の便だったので朝8時に空港に出発。他の4人は午後4時の便だったので、午前中はピカソ美術館に出かけた(写真左)。なかなかの数の所蔵で特別展までやっていた。
午後にはタクシーで空港に向かった。空港でまずは税金の払い戻しを受けた。空港の税関ではんこをもらって銀行に行くとスペインの税金が観光客には戻ってくる。
その後チェックインして荷物を預け、職場への買い物を済ませた後、軽食とビールでスペイン最後の乾杯。さすがにそろそろスペイン料理にも飽きてきてハンバーガーを食べた(写真右)。そういえば今回は
あまり日本食を食べたいと思わなかった。海外に慣れたのもあるし、スペイン料理が海産物や豚肉など日本食に近かったこともあるだろう。
帰りもオランダで乗り換えて11時間後成田へ到着。乗り継ぎもあって現地解散となった。
来年のIBITA AGMはオーストラリアとなる。